孤立化した島での光ファイバー網の政府職員による自力敷設とリソースセンター構築 (ナウル共和国, 2013年)

ナウルは、リン鉱石の枯渇により、最裕福国から一挙に最貧国に落ち込み、通信会社も倒産し、一時は通信が途絶えたという太平洋の小国です。政府所有の通信設備として、三、四十年前に日本が敷設したケーブル(現在は地上に露出)を、未だ利用しており、LAN内通信でも、不安定な数十kbpsの性能しかありません。

そこで、テレセンター機能に加えて、紙ベース(本など)のリソースも併せたリソースセンターと、光ファイバー・ケーブル網を構築し政府LANの一部を載せ替える実証・人材育成を実施しました。設計、掘削、埋設・架空の敷設、ケーブル融着から、サーバ管理までのすべての作業を、政府ICT部内職員で実施し、継続してナウル国内のICT 活用と国内通信網の運用保守や拡充を推し進めています。今回の実証研究により同国内で一挙に安定的な1Gbpsの通信が利用できるようになりました。

利用していた通信局舎と通信ケーブル。具体的な構築知識がないため、ケーブルは、ステンレス管使用で、廉価かつ耐性のあるM-PACを使用。融着機器を寄贈し、職員が作業できるように研修も行いました。

パラボラの奥にリソースセンター
埋設と架空の両方で敷設
病院で最終確認

プロジェクトで総延長約6km。政府建物、リソースセンター、学校、病院、診療所など7カ所を接続。接続数はその後も徐々に増加中。